
🕯️悪夢の神様🕯️
第17章 真実の悪意
「私は……ひどい…人間…なんでしょうか…」
俺を捕らえた瞳から――――ポロっと…涙が溢れた…。
「未來ちゃん……」
俺はその瞳から流れる涙を止めたくて――――…そっと…
抱き締めた――――…。
「未來ちゃん…大丈夫、大丈夫――――俺も、俺も思ったんだから……同じだ…」
「え――――?」
「加藤 円の無惨な遺体のビションを見た時――――“殺されて当たり前だ…”って…思った……かわいそうとか、無念だったろうなぁ…とか、全然思わなくて……ちょっとショックだった」
抱き締めた未來ちゃんは…俺の言葉を聞いて…頬を胸に押し当てた。
「――――皇輝(こうき)さんも?」
「あぁ…思った――――ガチで思った!でもさ――――…それって…自然な感情だったのかな?って……思う…」
俺から少し離れ顔を上げる未來ちゃんは…なんとも、渋い顔をしていた。
「――――俺たちは…加藤 円の過去を見た…けど…酷いもんだった…。
何人もの性を金にして――――…飽きたら捨てる。飽きなくても捨てる…例え目の前で犯されようが…自殺しようが…彼女の心は一切動かされることはなかった…」
コクンと首肯く未來ちゃんの頭に手をおくと――――俺はその頭を撫でた。
