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🕯️悪夢の神様🕯️

第3章 新生活と下心


店の近くまで来ると、未來ちゃんが手を放した――――…。


「私――――こっち…なんで…」


と、ギリ聞き取れる声で横路を指差した。



「じゃ――――送る…送らせて?」


うつむいているから…表情は分からないが、手をモジモジさせながら困っている。


でも、「送らせて?」と言う言葉に――――少しだけど…頷いてくれた。



「じゃ…手――――繋ぐ?」


と、再びたのドキドキを味わいたい俺は手を差し出す。



が、「いや――――もういいです」と、食い気味で断られた。



横路に入り、進んでいくと…昔ながらの住宅地が広がりだした。


店長が言っていたが――――店の辺りは元々商店街だったらしい。


開拓だの地域活性化だので、その都度流行りに乗り…シャッター商店街を賑やかしい感じに作り上げていったのが…今の店の周辺だとか…。


レンタル店や微妙なカフェ――――…肉屋に八百屋、庶民的100円ショップ…プチプラ呉服店にこだわりの寝具店…年寄りをターゲットとしたメダルゲームに特化したゲーセン…


ごちゃごちゃしていてゴチャゴチャしていない…微妙な商店ロードに似合う…住宅地だ!


古くもなく!新しくもない!渾然一体の――――でも、心休まる…レトロな雰囲気!


二十代の俺に“レトロ”とか言われたくないだろうが…そんな雰囲気の住宅地なのだからしょうがい!





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