
🕯️悪夢の神様🕯️
第18章 面影を襲う影
学校には…まだ――――少し…
慣れていない。
だって…約5年…引きこもっていた訳で…
最初は声の出し方さえ忘れていたくらいだ…。
「おはよう、藤橋さん」
「おっ///おはよう…ござぃ…まっ…すぅぅぅ…」
と、学校での第一声が微妙な日がある。
「――――相変わらずね…」
そんな私を見て呆れるのは、いじめ問題で関わった間宮(まみや)先生だ。
中年の頭の硬い先生だけど――――…あの事件以来何かと私を気にかけてくれている。
「進路希望書――――今週提出だけど…ご家族と話し合った?」
職員室近くの廊下で呼び止められ、進路の事を聞かれる…。
「――――実家の両親とは不仲で…連絡を取りたくないのですが…」
「そう言えば…実家を出て――――叔母さんの所に住んでたわね……実家は遠いの?」
「――――いえ…そんなには遠くは有りませんが…目的を持って来ないと…会わずにすむ距離と言うか…」
ぶっちゃけ――――…昔し住んでいた団地からは遠いが、祖父の家に引っ越した両親とは…地理的に近い場所に位置していると…私は知っている。
近くなったが――――…私が月子おばあちゃんに来てから今日まで…両親は私に会いに来たことは一度もない。
――――まっ、会える状態じゃなかった…けど…。
