🕯️悪夢の神様🕯️
第19章 ダイバーの役割
視線を横にずらすと…
未來ちゃんがちゃんと俺の手を繋いで隣にいた。
『大丈夫?』
そう言う俺の声も、相変わらず気持ち悪いくらい歪んでいる。
『うん……あっ、くるみ…』
未來ちゃんはくるみちゃんを見つけたのかそちらに視線を向ける。
どうやら、合唱コンクールに出発するところらしい。
『くるみちゃん、合唱部だったの?』
そう聞くと、未來ちゃんは、
『知らなかった…何年も会ってないし…互いのことなんて…聞いたことなかった』
と、くるみちゃんから目を放さず…答えた。
相変わらず歪んで声は聞こえるが…
不思議と未來ちゃんの声は不快じゃなかった。
願わくば、俺の声も不快だと感じないでくれるとありがたい。