
🕯️悪夢の神様🕯️
第21章 ラッキーガール
秋になると教室の雰囲気が受験でピリピリしていくのが分かる。
「受験を控えている皆さんはこの時期が一番たいへんだとおもいますが、これまでの頑張りを無駄にしない生活を心得ましょう」
担任の間宮先生がホームルームでそう言うと、一人の生徒に生活指導教室に来るように声をかけた。
――――上田 四葉(うえだ よつば)
大人しい見た目で影の薄さは私と比毛をとらないと言ってもいいほど…。
彼女は小さく「はい」と、返事をして教室から出ていった。
「彼女――――…この間の模試…うまくいかなかったらしいよ?」
「えっ――――…彼女って特待生の枠じゃなかった?」
「この間もそうだけど、その前の模試でもやらかしていたみたいで…特待生の枠が今危ないとか?」
特待生の枠…なんてものがあったのを…今知った…二年も学校に来ていなきゃ…どんなシステムがあるのか分からないのも当然である――――が、彼女がその特待生枠の一人らしい。
