🕯️悪夢の神様🕯️
第22章 それぞれの望み
「あなたも……そう言う兄妹がいるのかしら…?」
“鬱陶しく思う”なんて――――…普通の兄妹がいる家庭なら出てこない答えだったのか…上田さんは私を見てそう言った。
「――――はい…私の場合は…兄妹と言うより…家族全員に…ですけど…」
「――――は?」
上田さんにしたら衝撃だったのだろうか、更に目を見開き驚いた。
「家族って……、ならその後の展開って一緒かしら?」
上田さんは私を見ながらも…その後ろにある家族と私のブラックな環境に視線を向ける。
「元々…出来の良かった姉たちです……末の妹に注がれる両親の愛情に不満が募るなんて……よく考えたら分かることですよね」
「お姉さん達から…酷い扱いを受けていたんですね…」
上田さんはコクンとうなずくと…制服の袖を捲って見せた――――…
「あ――――…」
上田さんの腕にはいくつも…青アザや、丸く不自然な赤いアザが見えた。
「――――背中は…もっと…汚いはずです…もう怖くて鏡を見ることを止めてしまいましたから…」