🕯️悪夢の神様🕯️
第22章 それぞれの望み
再び背中にゾワリと悪寒が走った……。
「上田さん…あの――――…」
「もう帰るわ…」
私の言葉を遮るようにして上田さんは席から立ち――――…教室を出ていった。
“逃げて”――――と、言おうとしたが…
その言葉は彼女に伝えられなかった…
私はしばらく教室にいたが……皇輝さんが迎えに来ていたら――――と、思うと教室を後にした。
「遅かったね――――…何かあった?」
と、校門を出たところでジョギング終わりの皇輝さんがやっぱり待っていた。
なかなか出てこない私に…心配しつつ――――待っていた皇輝さんに「先に帰ってて良かったのに…」と、言うと
「なんで?」
と、変な答えが帰ってきた――――…
汗が引けて風邪を引いてしまうのは彼なのに…
「汗――――…冷えません?」