🕯️悪夢の神様🕯️
第23章 魔女の頭
お祝い事でケーキを食べるなんて…いつぶりだろうか?
実家にいた時も――――家に両親はいなかったし…祝い事?って思い当たらなかった。
誕生日に……家政婦が焼いたケーキを弟と食べた記憶があるが、その家政婦が辞めてからは出てきた記憶がない。
ボクシングに通うようになってからは、家族と距離が出来て――――練習ばかりしていたし、弟も華道家の集まりにつれ回されるようになったから…
「アイツは――――集まりで祝ってもらってそうだったし…ケーキなんか腐るほど食ってるかもな」
そう思いながら岳さんに頼まれたお使いをしに、ケーキ屋に向かった。
そして、ケーキ屋についてビックリ…
住宅街の中にポツンとある…可愛らしいケーキ屋の前で俺は足を止めた。
「マジかぁ…メルヘンじゃん…」
なかなか人気のある店なのか店内はそれなりに混んでいた。
外から中を覗くと――――ふくよかだが可愛らしい店員と背の高いイケメンの店員が接客していたし。
「メルヘンな上に…イケメン………しかも
住宅街の穴場店?岳さんのお眼鏡にかなった店……期待値上がるぅ~」