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🕯️悪夢の神様🕯️

第24章 誘惑


「ここは――――」


「いらっしゃいませ!和食屋です――――空いてる席にどうぞ」


驚きもたついていると、後ろから皇輝さんがサッと接客をしてくれた。


「後から、連れも来るんですけど――――…」


「かしこまりました」



――――あ…ちゃんと接客してる…



いつもなら、「そおっすね!」とか「マジっすか?」とか…砕けたしゃべり方をする皇輝さんが丁寧に接客をしているのを見ると焦る。



「あっ、お水――――お持ちします…」


私も頑張らないと!


と、お客様にお水を持っていくと、後から来る――――と、いっていた人だろうか?入り口で皇輝さんの生け花を見ながら「すごい…」と、呟く人がいた。


「いらっしゃいませ――――」


声をかけると、その人はゆっくり私に視線を向けた。



「――――あ…」



そのお客様は私をみて一瞬固まるが――――後ろに見えた連れにすぐに視線が向けられた。


「黒羽(くろば)――――こっち」


「戸次(とつぎ)さん…待ちましたか?」


私は、入り口に立っていた男性客が店に入りやすいように避けると――――頭を下げた。


通りすぎる時に、男性客の視線が自分に注がれた気がしたが…


見たことのないその人に私は何も思わなかった。



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