🕯️悪夢の神様🕯️
第24章 誘惑
奥のテーブル席に座った二人の男性客は歓談しながら名物の親子丼を頼んだ。
月子さんが厨房から顔を出すと――――
「あら、見ないお客様ね…二人とも綺麗な顔して…今時の男性は宝塚もビックリな美男子ばっかり!」
と、テンションが上がっていた。
言われてみれば…
とても顔立ちの整った二人で――――時々絡み合う視線が…何ともセクシーで、見ちゃダメな気がするのは…気のせいだろうか?
「なぁ――――あの美男子…二人………あれかな?恋人かな?めっちゃ怪しい雰囲気出してるじゃん?」
他のお客様も増え――――…接客でバタバタし始めた頃…皇輝さんが、そんなことを言い出した!
「は?男――――同士ですよ?恋人って…は?」
「いやいや、今はそう言うの…関係ないじゃん?ジェンダーウェルカム!」
――――偏見はないけど…見るのはじめだから…分からない…。
「でも、そうじゃなかったら…逆に失礼なのでは?」
「あ――――…そうっすね!」
接客意外での口調のギャップが激しい皇輝さんは――――お客様に呼ばれて「はい!」と、切れのいい返事をしてカウンターの注文を取りに行った。