🕯️悪夢の神様🕯️
第24章 誘惑
「ごちそうさまでした――――…帝王ホテルの隠れ家和食…来てみたいって、この人が言っててね――――来てみて正解だった!すごくおいしかった!ありがとう」
会計の時に美客に言われて、私は「いえ、こちらこそありがとうございました」と、深々と頭を下げた。
「そうだ――――これも何かの縁です…、私“経営コンサルタント”をしていますので…何かありましら声をかけてください」
と、帰り際に名刺を渡された。
戸次 伊理登(とつぎ いりと)
名刺には彼の名前が記入されていた、私は後ろに控えている男性も名刺を出すのかと思ったが――――彼は差し出す気配を見せなかった。
お礼を言い彼らを出入口まで送り――――頭を下げて見送った。
「また――――きます…」
声に驚き、頭を上げると――――…戸次さんの後ろにいた男性も頭を下げていた。