
🕯️悪夢の神様🕯️
第24章 誘惑
皇輝さんだけ――――…
私の悪夢を…ねじ曲げてくれるのは…
皇輝さんだけ…
私を――――…救ってくれるのは……
“僕が――――貴方を助けます”
何か――――違う…
黒羽さんの言う“助け”って――――…何?
「ん――――ちょっと…サイレン近くない?」
おばあちゃんの声にハッと我に返り振り向く。
ホテルの外がなにやら騒がしい…。
「なに、なに?パトカーのサイレンじゃない?何かあったのかしら?」
店を出て――――ロビーを確かめるも…外での出来事らしく、ホテルには何の影響もない。
「ビックリするじゃない……ホテルで何か起こったのかと思ったわ――――」
おばあちゃんはホッとした様子で店に戻る――――…と、ロビーで電話している戸次さんが見えた…
外の様子を気にしながらも、笑顔でスマホで誰かと話をしていた。
「成功です――――…大丈夫、貴方に捜査の目が向くことはないですよ。ご利用…ありがとうございました…」
サイレンの合間に聞こえた…戸次さんの言葉に私は首をかしげた…。
