🕯️悪夢の神様🕯️
第24章 誘惑
くるみの状況に苦虫を噛み潰したような顔をする皇輝さんが、私を見つめる。
『私じゃ……助けられない……』
私は…皇輝さんの足元に崩れ落ちた。
今から自殺しようとする妹を――――私の力では止められない。
この悪夢を曲げられるのは――――皇輝さんしか…出来ないのだから。
『後で――――ちゃんと説明してもらうからね……いい?未來ちゃん…』
私は何度も何度も頷いた。
すると、皇輝さんはくるみの周りを注意深く見て――――…
この夢がいつ起こるのか――――どういう結末を迎えるのか…
じっと――――見つめ…
ため息をつく。
私は――――くるみが自殺する姿を見たくなくて…何かの手がかりにならないかと…
先輩の行動に目を向ける。
と――――…
先輩はくるみを音楽室に残し学校を出ていってしまう。
そして、校庭の真ん中で校舎を見るように振り返り…スマホを取り出し何処かへ電話した。
『――――もしもし…情報ありがとうございました…。やっと胸のモヤモヤがスッキリしました…。
貴方の情報に――――救われました。
あの子が合唱の下見の時に…単独行動をしたいと言ったときから…彼女のギャップがずっと引っ掛かっていたんです…』