🕯️悪夢の神様🕯️
第25章 救い出す定義
「まず――――…くるみちゃんの状況だ…家にも学校にも逃げ場がない状況だと……精神的に来ていると思う――――…もし、苛めが長く続いているなら…くるみちゃんの精神状態はすでにボロボロだ…」
「一ヶ月……ぐらいは続いていると思います…」
俺は、ビジョンの中で黒羽が言っていたことを思い出す。
『一ヶ月ももたなかった…』
彼女の性格から見ても――――両親には甘やかされて育ったのがわかる…
しかも、姉である未來ちゃんと比較され――――“くるみは未來(みくる)見たいにはなるな!”的な事を言われて育ったのかも知れない。
あの…死んだような目――――…
孤独と疲労…
不安と恐怖から逃れたくて――――…
あの段ボールから…縄を取り出す彼女の心境が…手に取るようだ。
「2日後までに――――…くるみちゃんを助ける!まず、虐めの現状を学校や両親に認めさせる!そして、非難させる!」
美希さんはグッと拳を握り立ち上がる!
――――ヤバい!美希さんが暴走する!?
と、思った瞬間に…いつの間にか美希さんの後ろに立っていた月子さんが、スパーンと美希さんの頭をスリッパで叩いた!
「いったぁぁぁ!母さん!何――――」
「私が話してくるわ……、一応…孫だし」
月子さんが冷静な声でそう言うと…
「おばあちゃん…私も――――行く…」
と、未來ちゃんが立ち上がった…。