🕯️悪夢の神様🕯️
第25章 救い出す定義
配達?
俺は黒羽の手にする段ボールに視線を落とす。
「やけに小さい教材っすね……」
俺は、黒羽の手にする段ボールの中身を知っている…
これを、合唱部の先輩に渡すのだろう…。
「ええ――――少ない資料でもお届けするサービスです」
にこやかに頬笑む黒羽の笑顔が怖い…。
こいつは…今日――――くるみちゃんに止めを刺す。
なんで――――なんで…こいつは…そんなことをする?
俺が警戒する視線を黒羽に送っていると、スマホが鳴った。
「――――もしもし…あ、戸次…?あ~そう、やっぱり……今、目の前にいた…。
ハハハ…はじめての失敗が……こんなに屈辱的だとは思わなかったよ」
俺を見ながら黒羽は電話をする…しかも、――――口角をあげながら。