🕯️悪夢の神様🕯️
第1章 深夜0時の事件
レンタル店の店長には履歴書で右目の事やボクシング経験者だと言うことはバレている――――、そのお陰で時給のいい深夜のシフトを多くしてもらえているのだ。
「――――両親には連絡したのか?強盗にあった…って…心配すんだろ?」
店長は、監督カメラから視線を外す事なく俺の心配をしてくれる。
「いや――――しないです。
まず、俺の電話に出ないと思います。バカな俺からボクシングを取ったら…何の価値もないっすから…。
大学辞めたら、仕送りも援助金も止められました。しまいには、視覚障害者となった息子なんて――――彼らにとって汚点でしかないので…多分、親子の縁も切られてると思います」
「は?――――なんだよそれ…今流行りの毒親ってやつか?」
毒親――――…彼らが俺に親だった事は…一度も無いが…
「まぁ、俺も22ですし――――親だの子だのって…あってないようなもんでしょ?」
「バカ野郎…子供は……親にとっちゃズーッと子供なんだよ…!逆もまた――――」
店長はそこまで言って言葉を飲み込んだ。