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がーるず・らぶ 里美と結の場合(R18)

第6章 あっ!と驚く来訪者


「色気の欠片もない部屋だけど」

 テレビ、兄貴からもらったコンパクトオーディオ、奮発して買った空気清浄機。
それらがローテーブルとクッションやローソファーを中心にして基本的な配置に置かれている、まあ、ありきたりな6畳部屋。

 部屋のカラーは、カーテンやラグなどほぼ茶系の落ち着きある色合いでまとめられている感じ。

 少し違うのはテレビの横に置かれたデザイン水槽に熱帯魚がいるところと、さらにその左の棚にはアニメのDVDがずらんと列んでいる事かな?
 ぱっと見た目には、部屋の住人が男性か女性かは多分、分からない。そんな部屋。

 ただ、少し広いテラスと、カウンターキッチン、脚を伸ばして入れるお風呂と(もちろんトイレとお風呂は別々)がこの賃貸の“売り“であり、それが気に入ってここを借りて住んでいる。


「ゆっくりくつろいで行ってね☆」

「『くつろいで行ってね☆』じゃない!」


それは私が言うべき台詞でしょうが!
第一私は許可した覚えは無い!
私はじと〜っと訴える視線で兄貴を睨み付けた。

「なんで、何をそんなに怒ってんだよ?」
「……別に」

……私のワガママ以外、それを許可しない理由も……無い……。
何も言えず、私はかくんと頭を項垂れるしか無かった。

そんな私達のやり取りを見て、結はくすくすと笑っている。



「……えっと、じゃあ、キッチン借りますね」

 制服のポケットから赤いリボンを取り出すと、彼女は慣れた手つきで自分の髪をまとめた。
そんなちょっとした仕草だったのに、何故か私は“どきどき"してしまう。
ちらりと見えたうなじに目線が行ってしまう。


……意識しちゃうなぁ……
何しろ、ついさっき・・・




『……気持ちよくしてあげるね』



 ひとりHの時の妄想の中の彼女の、あられも無い姿が頭の中をふんわりと過ぎって、思わずぶんぶんと頭を振ってそれを祓う。

(はわをっ!も、妄想退散〜っ!!)

 自分を落ち着かせるために平静を装いつつ、ローソファーに座ろうとした時、そんな私にさらなる追い打ちが襲ってきた。

下から、妙な感覚が伝わって来る。


……つつっ・・・
(あっ?!やば……)

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