
がーるず・らぶ 里美と結の場合(R18)
第1章 <プロローグ>
彼とセックスしている時、私が上げていたのは喜びの声では無くて……
苦痛に耐えて、こらえている声、だったりする。
いえ、
彼が悪いわけでは無く。
ちゃんと前戯もしてくれるし、彼なりにアフターケアだって考えながらしてくれる。
むしろ悪いのは、私だ。
私は、自分オナってもあまり気持ちよくなれない女。
絶頂を迎えた事が一度も無い、欠陥のある人間だから。
……欠陥は自分でも言い過ぎかもしれないって、ちょっとは思うけど……。
でも、いっぱい私を幸せにしたいと頑張る彼に、罪悪感を感じないはずもなく……。
そんな私だから、きっと罰が当たったんだろう。
この、彼との密会から三日後。
私は彼と仕事を同時に失う事になってしまった。
実は彼には奥さんがいて。
クリーンさをモットーとする私の勤め先は、不可抗力だろうが、元は向こうが悪かろうが関係なく。
彼と彼の勤め先へは様々なペナルティーをお抱え法律事務所を通して行い。
そして、私にはご丁寧な解雇手続きを行った。
それは、会社のクリーンなイメージを崩さぬ為の電光石火の早業であり……。
あまりの早業に、拍手を贈りたくなるほどだった。
……実際にはそんな事しないけど。
そして、私は、解雇通知書を鞄に詰め込んで、頭の中が真っ白なまま……
自分のアパートへ向かった。
あの後どうやって部屋に帰って来たのかは、2ヶ月経った今でも思い出す事が出来ないでいる。
