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がーるず・らぶ 里美と結の場合(R18)

第2章 現実はきびしいったら!

「なんだよ?出戻りしてきてヒマこいてる可愛そうな妹を使ってやろうっていう優しい兄の心遣いが分かんねぇか?」

「説明口調で自分を正当化しない!」

 兄貴は悪気があってこういう事を言うわけではないんだけど……悪いって思って無い分だけさらに始末が悪い。

……って言うか

「出戻りじゃ無いしっ!」

「ちがうのか?」

 エアインパクトを作業台に置き、その手でペットボトルのウーロン茶を手にした兄貴はそのまま器用に親指だけで蓋を開け、グビグビと音を立てながら飲んだ。
もう片方の手は首にかけたタオルを顔の汗を拭う事に使っている。

……器用で大雑把。そしてデリカシーは無いけど微妙に優しい。



それが山中サトル。私の兄だ。

しかし。


出戻りはさすがに言い過ぎでしょ?!
私、あの彼とは結婚して無いし!

「OLやるからって部屋借りて、家出てっただろ?実家から通えば良いのにさ」

「一人で生活したかっただけ。仕事も彼も関係なく、ね」

実家に居たら、何かと色々手伝わされる事が判っていたから、それが嫌だった私は大学卒業と同時に家を離れ、比較的勤め先へ通いやすい所に部屋を借りた。



 ただ、後から知った事だけど……それは同時に、兄貴の会社の近くでもあったわけで……(汗)


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