
みせてあげるね。2nd
第2章 幼馴染
ガチャッ
「おっじゃましまーす!」
玄関から樹の大きな声がする。
リビングから私の母が顔を出すと
「樹君、いらっしゃ〜い」
「おばちゃん、こんちわ!今日のおやつ何?」
「今日はね〜」
靴を脱ぐとそのままリビングで話し込む2人。樹が来ると母はいつも楽しそうだ。
「宿題。するんじゃないの?」
壁にもたれながらきくと
「あかりが終わらせたやつ、うつすから大丈夫」
ニカッと真っ白い歯をのぞかせて満面の笑みで笑う樹にイラッとして耳を引っ張って部屋に連れて行く。
「いててててッ!」
若干涙目になる樹を母が手を振り見送る。
「やるやる!やるから、耳は離せよ!」
