
みせてあげるね。2nd
第2章 幼馴染
ぱっと手を離すと樹は耳をさすって大人しくついてくる。
部屋につくと教科書とノートを広げて宿題を始めた。
「〜〜〜でさ〜」
宿題を始める私の隣で、樹はずっと喋っていた。
私は8割スルーしながら宿題を進める。
「樹、手が止まってるよ」
視線はノートに落としたまま伝えると、わりぃわりぃと謝るがすぐに再び話始める。
この男は黙ると生きていけないのか?と思うくらいよくしゃべる。
「ーーーーはいっ。私は終わり」
パタンとノートを閉じると立ち上がった。
「おやつ、持ってくるね」
宿題中におやつを渡すとますます樹はしなくなるから、いつも終わってから出すことにしているのだ。
「じゃあノートを・・」
私のノートに手を伸ばす樹の手をパシッと叩く。
「自分で、ね」
にっこり笑うとノートを持ったまま部屋を後にした。
