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みせてあげるね。2nd

第1章 旅行


彼は佐藤岳(さとうがく)と名乗った。
ここから2つ離れた県からバイクで移動してきたらしい。

「非日常味わうならやっぱり旅行ですよね!」

「そうだね。旅行に来ると普段味わえない経験ができるよね。そうだ、後でバイクの後ろに乗せてあげるよ」

「いいんですか?やったー!」

なんて会話や身の上話をしながら、鍾乳洞の中を歩く。

ーーーー

「ひゃッ!」

足元が濡れており危うく転びそうになり、ぎゅッと岳さんの体にしがみついてしまう。

「す、すみません・・」

すると目の前にスッと手を差し出されたので、じっと見つめたあと顔をあげる。

「転ぶと危ないから」

そっと手を上に乗せると、ギュッと握られ再び足を進める。

さっきあったばかりの人と手を繋ぐなんて・・
変な感じ・・・

そう思いながらも少し胸がドキドキした。

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