ぼっち─選択はあなたと共に─
第1章 彼女の選択
「わかった。君がそこまで言うのなら、好きにするといい」
「久遠さんっ……ありがとうございます!」
喜ぶヒカリを見て、久遠は切なく微笑む。
「ただどうしても辛くなったら……」
そこまで言いかけて、久遠は口をつぐむ。
「……いや、無理はしないように」
「はいっ」
久遠は空中で指を動かすと、空中ディスプレイを操作した。
「……あと久遠さん、ヒカルのことありがとうございます」
久遠はディスプレイ越しにヒカリを見る。
「クロードと出会わせてくれてありがとうございます。二人が現実世界で幸せなら、私はもう何も言うことはありません」
「ヒカリくん……」
自ら命を絶った妹のヒカルだったが、肉体は久遠によって保護された。そしてヒカルはシミュレーションの世界で過ごした後、現実世界で生きることを選んだ。
そして同じくクロードもヒカルと出会い、ヒカルと共に現実世界で生きていくことを望んだ。
「私の願いは、ヒカルが幸せになることだったから……」
ヒカルの苦しみは、なによりヒカリ自身が一番感じていた。
もしかしたら母親がヒカルのことをヒカリと呼んでいたのは、自分がヒカルの肉体から離れなかったせいかもしれないと思っていた。
「君も幸せになれるように、心から祈っているよ」
久遠の言葉に頷くと、ヒカリはシャドーの世界に続く道へと進んでいった。
「久遠さんっ……ありがとうございます!」
喜ぶヒカリを見て、久遠は切なく微笑む。
「ただどうしても辛くなったら……」
そこまで言いかけて、久遠は口をつぐむ。
「……いや、無理はしないように」
「はいっ」
久遠は空中で指を動かすと、空中ディスプレイを操作した。
「……あと久遠さん、ヒカルのことありがとうございます」
久遠はディスプレイ越しにヒカリを見る。
「クロードと出会わせてくれてありがとうございます。二人が現実世界で幸せなら、私はもう何も言うことはありません」
「ヒカリくん……」
自ら命を絶った妹のヒカルだったが、肉体は久遠によって保護された。そしてヒカルはシミュレーションの世界で過ごした後、現実世界で生きることを選んだ。
そして同じくクロードもヒカルと出会い、ヒカルと共に現実世界で生きていくことを望んだ。
「私の願いは、ヒカルが幸せになることだったから……」
ヒカルの苦しみは、なによりヒカリ自身が一番感じていた。
もしかしたら母親がヒカルのことをヒカリと呼んでいたのは、自分がヒカルの肉体から離れなかったせいかもしれないと思っていた。
「君も幸せになれるように、心から祈っているよ」
久遠の言葉に頷くと、ヒカリはシャドーの世界に続く道へと進んでいった。