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ぼっち─選択はあなたと共に─

第2章 怒りの炎

 ヒカルを庇ったヤクモ。そしてアクアを守ったロイド──ロイドはアクアの名を呼んだあと、シャドー化し、目の前にいたアクアを食べてしまった。

 悲しみが溢れる絶体絶命の中、一匹の白い犬がマナミに噛みついた。続けて矢が飛び、赤髪のゼノと盗賊たちによって、ヒカルとヤクモは助かった。

 そしてツキカゲソウの前でアクアとロイドの魂は、ヒカルの祈りの力によって天へと昇っていった。

(ロイドさん……アクアさん……)

 思い出したらまた涙が込み上げてきた。
 こんな形でしか助けられなかったなんて……。

「ヒカル様……」

 すると目の端から落ちた涙を、ヤクモが優しく拭ってくれた。

「ヤクモさん……」
「あなたまで死んでしまったのかと思いましたよ……」

 そう言うとヤクモは、ヒカリの体をそっと抱きしめた。

「ヤクモさんっ……うっ……」

 うわああっ、とヒカリは声を出して泣いた。

(これは私の感情だけじゃない、あの時ヒカルもすごく悲しんでいた……)

 ヤクモはヒカリが泣き止むまで、ずっと抱きしめた。

「……落ち着きましたか」
「うん……ありがとう、ヤクモさん」

 涙を拭って、ヒカリはヤクモに微笑みかける。

「……」

 ヤクモはジッと、ヒカリを見つめた。

「えっと、何か……ついてますか?」
「──いえ、なんだか、感じが少し変わったような気がしまして……」
「えっ……」



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