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ぼっち─選択はあなたと共に─

第2章 怒りの炎

 ヤクモの鋭さに、ヒカリはドキッとした。
 
(ずっとヒカルの中で生きてきたのに──それでも私とヒカルの違いに気付くなんて……)

「いえ、気のせいですね。申し訳ございません、ヒカル様」
「ううん、気にしないでください」
「さて……日も暮れてきましたし、そろそろ移動しましょうか」

 ヤクモは空を仰ぐ。
 なんだか一雨降ってきそうな空だった。

「ソルトの町に……」
「いえ、今ソルトの町に戻るのは危険です」
「でもっ……シャドーからみんなを守らないとっ……」
「今あなたが戻っても、余計混乱を招くだけです。シャドーは討伐隊の彼らに任せましょう」
「……っ……」

 討伐隊に任せる──そこでヒカリの頭の中にひとつの疑問が浮かんだ。

(クロードの存在は?)

 クロードの魂は現実世界の肉体へと戻った。
 ということは、この世界にはクロードは存在しないことになる? それとも突然消えてしまった、どこかへ行ってしまったということになっているんだろうか。
 もし後者なら話がややこしくなりそうだ。

「ナツミさんは……」
「そういえば彼女も神の子でしたね」

 なんだかとても嫌な予感がする。

「ヤクモさん、私やっぱり戻っ──」
「ヒカル!!」

 振り返ると、ソルトの町にいるはずのナツミが息を切らしながら立っていた。

「クロードは!?」
「えっ……」
「クロードはどこにいるの!?」


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