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先輩!彼氏にしてください!

第8章 危険人物




「あ、アラタ先輩っ……さーせん、こいつ、安藤の────」


星野先輩が横から来て何か言おうとしてるのを、アラタ先輩がフッと笑って阻んだ。



「なんだ、彼氏できたんだな、ほのか」


「そうです」


「は!? なに勝手に返事してんの! 違うだろうが!」



背後からペシっと頭を叩かれた僕は、叩かれた頭を抑える。



「彼氏じゃありません! ただのストーカーです」


「え?」


「谷川くんのことは気にしないで下さい」



そして、「ねぇ」とほのか先輩に腕を引っ張られると、至近距離で見つめられてドキッと胸が高鳴った。




「アラタ先輩に何かしたら、一生口きかないから」


「………え」


「分かった!?」




まただ。



ほのか先輩は、そうやって言えば、僕が何でも言うことを聞くと思っている。


それは基本そうだけど…


ほのか先輩が取られそうなのに? でも…『一生口をきいてもらえない』かもっていうのは僕にとってやっぱり強烈な罰だ。


それはつまり、死ぬってことなんだから。




「…………分かりました」



要はあいつに何かせず、ほのか先輩とどうにかなるのを阻めばいいんだ。




「分かればよろしい」


「おい。ほのかー。なーに2人でごにょごにょしてんだー」


「あ、いや、別に───」


「─── やっぱ彼氏なんじゃねぇの?」


「だからっ…! 違いますってば!」




ムキになっているほのか先輩を見て、奴はニコリと爽やかに笑う。



「そ。なら良かった」



は?



良かった……?ってなんだよ。



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