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しゃがみ込んで、谷川くんと視線を合わせる。



正直もう認めざるを得ない。



こうやって、私に振り回されて、まるで子どもみたいに私に執着して…


キモチワルイのもそうだけど…


やっぱり「かわいい」と、そう思ってしまっている自分がいる。


それは本当に最悪なことだ。


あまりに付き纏われすぎて、谷川くんの変なところがうつったのかもしれない。



「………新先輩にも言ったけど。新先輩とのことと、谷川くんとのことは、全然別の話だから」



新先輩を選ばなかったからって、谷川くんを選んだ訳じゃない…とまるで自分に言い聞かせるように。


この期に及んでそんな事を言うと、谷川くんはゆっくりと頷いた。



「分かってます。でも、とりあえず、ほのか先輩が誰かのものになったりしないで…本当に良かったです」


「………はいはい」



顔をくしゃりとして笑う谷川くんから私は目を逸らす。


谷川くんの一々の仕草や態度、表情がかわいく見える病気に罹った私は、そのまま床を見つめる。



「……てか、何で2人きりでこの部屋にいたんですか」


「いや…葵ちゃんが変な気を利かせて」


「ったく…。いつも言ってますけど、ほのか先輩は信じられないほどかわいいんですからそうやって男と2人になったりしないでください。危なすぎます」



いつも通り大袈裟に言う谷川くんのことを私は細目で見つめた。




「……谷川くんだって、いつもより来るの遅かったじゃん」



私ばっかり悪いみたいな言われ方に納得いかずにそういうと、谷川くんは、「早坂先生に捕まっていたんです」と言ったので、嫌な予感がして「えっ…」と声を上げた。




「絵、ちゃんと出した…よ…ね……」



「出しましたよ。それが受賞したっていう報告を受けてただけです」