先輩!彼氏にしてください!
第9章 青春の文化祭
「っ……ぁっ…んんん…んむっ…」
貪るような熱いキス。
季節は9月。
冷房の効かないこの部屋はやっぱりとても暑い。
「はぁっ……」
「…ばかっ………」
キスの合間で、悪態を吐くと谷川くんは色っぽく髪をかき上げて、私の首元に手をそわせた。
熱い手の温度が直接肌を通じて伝わってくる。
それを堪能するように深くため息を吐くと、谷川くんは優しく「ほのか先輩」と私のことを呼んだ。
「………っ」
付き纏ったり、急に無視したり、また話し掛けてきたり。
振り回されていることにムカついて、背の高い谷川くんを見上げながらキツく睨みつけると、谷川くんがゴクリと唾を飲んだのが分かった。
「…………えーっと…っ…その顔って怒っている顔ですか?」
「……っ…別に!」
「………やっぱ怒ってるんですね。聞いてよかった……かわいすぎてまた誘惑されてるのかもって勘違いしそうになりました」
は?
「意味分かんない!!!!」
ドン!っと谷川くんの胸を叩くけど、ビクともしない。
前はもっと、ひょろひょろってしててそれだけでも、よろけていた気がしたのに……
再びそっと顔を上げると、谷川くんは真剣な顔をしたまま私のことをじっと見つめていた。
久しぶりの谷川くんの瞳。
その中のひまわりの輪がまた綺麗にゆらゆらと揺れている。
「……あの………先輩って…僕のこと、どう思ってるんですか」
突然に核心に迫る質問をされて私は、みるみる顔が紅くなるのを感じながら急いで顔を晒して俯いた。