先輩!彼氏にしてください!
第9章 青春の文化祭
∝─── ほのかside ───∝
「好きって言いましたよね? 僕のことを、ほのか先輩が」
自分らしくもなく、好きだと叫んで、本当に恥ずかしくて死にたい。
でも今更あーだこーだ言うのも無駄だし観念して私は体の力を抜く。
「………………言った」
素直にそう答えると、谷川くんはさらに私の身体をきつく抱き締めてきた。
「っ…ぐっ…くるしっ……」
「やっぱり……ほのか先輩は押しに弱すぎますっ……」
………たしかに、そうかもしれない。
「………だって…しつこすぎるし…っ」
「っ………」
「…根負けした」
「僕の粘り勝ちってことですね……っ」
生意気なことを言う谷川くんに片眉を上げる。
そして体を離した私は、腕を組んで谷川くんのことをじっと見上げた。
「て、いうか、谷川くんここ1週間私のことを避けてたよね?」
「え……あ、その……」
試されていたんだろうか。
だとしたら、やっぱりムカつくんだけど。
「散々ベタベタして、そんで急に離れることで私を寂しがらせようとしたんでしょ???」
「…………え…?」
「急に駆け引きなんかして…ほんとムカつく」
一番腹が立つのはまんまとハマった自分自身だけど……。
歯を食いしばりながら、谷川くんを突き詰めると、谷川くんは、慌てた様子で頭を横に振った。