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僕達の日常-血始し編-

第5章 〜不良集団〜

「うおおお!!」

「ぐああッ」

俺は、渾身の力を込めて奴の顔面に拳を叩き込む。

その拍子に、奴の手から小型ナイフが落ちる。

「よくも、よくもッ」

「ぐぁッ、ぎいやあッ」

奴が倒れてからも、馬乗りになってその顔面を殴り続ける。

「おい、俊樹!」

「俊樹君、落ち着いて!」

数多と南が、俺に近付こうとするのを地面に落ちていた小型ナイフを拾って2人に向けた。

「落ち着ける訳ないだろ!!
郁を、俺達の友達を殺したんだぞ!!」

-数多視点-

「俊樹…。」

駄目だ、完全に怒りと憎悪で暴走している…!

「俊樹の気持ちも、分からんでもないけど
そんな事をしても、郁が喜ぶ訳ないだろ!!」

「そうだよ!
とにかく、そいつから離れて警察と救急車を!」

「黙れ!!綺麗事なんか聞きたくない!」

俺と南の言葉も、今の俊樹には届かないようだ。

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