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この夏、君に溺れた

第6章 夢の終わり

その日の朝は、いつもと同じようにやってきた。

「お前、味噌汁の具、切るの上手くなったな。」

「そりゃあ、ここに来て毎日切ってたら、下手なモノも上手くなりますよ。」

「そっか。」

何に納得したのか、うんうん言いながら、お味噌汁を食べる先生。

そんな人も珍しいと思う。


「ご馳走様でした。」

のんびりお味噌汁を食べている先生を目の前にして、私は勢いよく立ち上がった。

「ええ!?食べ終わるのも、早くなった〜」

「これは……先生が、のんびり食べてるせいだと思いますけど……」

「あっ、そう。」

そして今度は、自分が出してきた海苔を、パリパリ食べている。


そんな様子を見ながら、カワイイと思ってしまう私は、結構先生にはまってしまっている。

自分が食べた食器を洗い終わって、速攻バッグを手に取る。

「行ってきます‼」

「あっ、待て!芽依。」

呼ばれて、廊下から顔を出す。

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