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この夏、君に溺れた

第7章 もしも許してくれるのなら

「お疲れ様です。」

バイトが終わり、美羽ちゃんと一緒に、お店を出る。

「ねえ、芽依。」

「ん?」

「好きな人がいるって言ってたけどさ。もう一年も前に終わってるじゃん。」

美羽ちゃんの発言に、足が止まる。

「何度も告白を断っているのに、こうやって通ってきてくれるなんてさ、店長の言う通り、芽依のこと本気で好きなんだと思うよ。」

「うん……」

「そろそろ、新しい恋に踏み出してみたら?」

美羽ちゃんが、背中を押す。

「美羽ちゃん。」

「ん?」

我ながらいい事言ったと言う表情が、美羽ちゃんらしいと言ったらいいのか。

「お節介。」

「ちょっと!」

足をガクッとさせて、リアルコントみたいだ。

「もう〜芽依はわかんないと思うけど、好きになって貰えるって、そうそうないんだからね!!」

「うん。」

「そのうち、誰にも言われなくなったら、どうすんの!」

「はいはい。」

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