双龍の嫁
第2章 風龍
「その答えを示すとともに、我が力になれ」
水龍程でおおきくはなくとも、わたしの頭の位置はせいぜい彼の腰の辺り。
骨の浮き出た腰骨が顔に当たってごつごつします。
彼がそれに気付き、わたしを胸の位置に引き上げてくれました。
「あっ……?」
抱きしめる私の内腿に挟まるように滑ってくるのは風龍の手でした。
しかしそこでまたわたしの体内を暴れ始めたのは、水の夫が残したあの龍の片割れです。
驚くととともに、思わず彼の手を腿で挟んでしまいました。
「お前はいつもこんなに潤っているのか?」
思惑の無い様子でそんな事を訊かれて、顔から火が出そうになりました。
「ち、ちがい……ます」
ん? ああ、水龍め。 一瞬彼の指先に触れてまたヒュっと中に逃げ込もうとする細長いそれを見て、彼が呟きました。
「確かにこれは龍の花嫁のしるしではあるが、こいつは湿りの中でないと生きていけない……さてどうするか」
顎に手を当ててうーんと考えたのちに、龍は勝手にそれを引き出して、事もあろうかわたしのおしりに宛てがいました。
「………ええ…っ!?」
肌の割れ目にそれが触れたと思い、身をよじりました。
けれどその時はもう遅く、普段は小指の太さほどのそれは、僅かであろう隙間からなんなく中へと潜っていきます。
「きゃあっ!!」
排泄器官へ入り込む、ぬるん、としたなんとも言えない感触に大声を出してしまいました。
ふるふると震えて自らの体に手を回して耐えているわたしに風龍は人ごとのように言います。
「構わぬ。 互いにそこも悪くない」
「そ、そんな」
幸運にも、それはわたしの中でじっとしていてくれているようでした。
それでもどこか落ち着かない違和感があるのは否めません。