双龍の嫁
第2章 風龍
首を振りながら彼の肩にすがりつくわたしに、龍はどこか昂った様子で声を落としました。
「そんな壊れそうな風情で、夢中で吸い付いてくるのはお前だろう……」
ぐっ、ぐっ、と突かれるたびに、わたしの奥はざわめきます。
子宮のしるしと尖槍が引き合い、すると我しらずもっと深くへと夫を誘うかのように、濡れた肉を絡みつかせてしまうのです。
それでもその行為は、それからなかなか上手くいきませんでした。
時折加減を忘れしまう風龍に、下手をすれば狂いそうになる自分に、どうしても恐怖や羞恥を感じてしまいます。
否応なしに巻き込まれそうになる波に抗う方に気を取られ、わたしの体は再び固く強ばっていきました。
それに気付いた龍は途中で行為を中断し、胸の中にわたしを収めました。
「初めて迎えた花嫁に、急ぎ過ぎたのかもしれない。 そもそも今日は、しるしを与えるだけのつもりであったのに」
だが私にそうさせたのはお前だ、そう言って結局わたしのせいにする割に、風龍はぴったりと体を合わせてわたしを抱きしめるのでした。
そうして薄い雲が立ちこめる中で、わたしはふたり目の龍の妻になりました。
***
風龍は、変わった龍のように思えます。
思えます、そう言ってしまうのはわたしにとっては彼はそう変わり者でもないからです。