双龍の嫁
第2章 風龍
下穿きから覗いた夫の、腿に触れたその熱に驚きました。
そこに手を添えることもなく、彼はその先をわたしの性器を触れさせます。
「──────ッ」
高く上がったわたしの腰から続く脚を大きく拡げてから、夫の男根の先端が秘裂の割れ目にあてがわれました。
そこになじませるように前後に動いて、時折くぼみに浅く入り込んできます。
「相変わらず……ここは充分に潤っているんだな」
ヌルヌルとなめらかな動きは夫の言葉を事実と物語っていました。
そんな風に言われて、さっとさした頬の赤みを誤魔化すように、わたしは顔に手を当て目を逸らしました。
少しずつ少しずつ、ずるずると生きものが這うように夫がわたしの中へともぐり込んできました。
「くうっ……」
入口の粘膜を過ぎ、そこは破瓜のなごりの場所なのでしょうか。
みちみちと広げてくる感覚は、何度か経験しただけではちっとも慣れなくて、わたしの喉元から振り絞るような小さな声が漏れました。
それなのに、それからすぐに、腰から下が蕩けそうに力が抜けてしまいます。
緩やかな、優しい動きでした。
「…ッぁあ、アぁ……ああ……ん……ん」
詰めた息から、甘く長く伸びた喘ぎが辺りに響きました。
風龍の性器は水龍のものとも、子供の頃にみた家族のものとも違います。
前に見たときは蛇の頭のようだと思いましたが、その三角形の尖端は以前よりもなだらかで、わたしの膣の粘膜を心地よく圧して往復しながら前進し続けます。
「はぁ…ぁっっ……」
そんなわたしの反応を、夫はどこか嬉しそうに見詰めています。
「ン…私を欲しいと言ったのは、嘘ではないんだな…?」
「嘘、だなん…て…ん、ッウ」
ゆっくりでしたが、確実に前へと進みながら肉をかき分け続けるそれは、やがてわたしの奥へと到達したようです。
それなのにまだ押し付けてこようとする彼に、わたしはそこから逃れようと反射的に腰を浮かせました。