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双龍の嫁

第3章 茶話会



「こんな華奢な体じゃ、こうして持ってるだけで、すぐに骨を砕いてしまいそうだね。 夜事も私が相手では、裂けてしまうかな? でも、私はそうやって花嫁を蹂躙するのが大好きなんだよね」


夫にそんな趣味があるとは初耳でしたが、璃胡が怯えきって掠れた叫びを喉から漏らしたのは無理からぬことでしょう。


「ヒ……ひいっ……っ…やあッ離」

「私の花嫁になりたいのだろう? そう、今さら、お前には選ぶ権利は無いのだよ……」


さすがの潤香も顔を青くして口元に両手を当て、その場に立ちすくんでいます。

火の嫁は怯えた表情でとうとうさけびました。


「いやっ…火、火龍っ──────!!!」


わたしはそこに明らかに恣意的なものを感じとってはいたのですが、それを理解していれば、どうしても無理に作っているといわんばかりの夫の挙動でした。

そしておそらく火龍もそれに気付いているのでしょう。
水龍の振る舞いに動じることも無く、彼はその場で腰に両手を当てて、ふうっと細い息を吐きました。


「……水龍よ。 私の花嫁を離せ」

「火龍、火……たす、助けてっ…」


おおきな瞳から涙をながし、はくはくと途切れた声で助けを求める璃胡をみて、さすがにわたしも心配になってきます。
すると彼らのもとへ進む前に夫が口を開きました。


「なぜだ? 璃胡とやら。 火龍とは夫婦になれないのだろう? それなのに救いを求めるとは、随分と図々しい……」

「違っ…ちがうの!! だって、わたくし……わたくしの体は清くないの!」



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