双龍の嫁
第4章 双龍の嫁
風龍がその場を去ると共に、袂から滑り込んだもう一人の夫の手がわたしの乳房を揉みしだきます。
「…あっ…駄目」
「ここも段々と豊かになってきた。 子を成せるのは……子宮をしるしの住処とする風龍以外にはいないからね」
わたしの懐妊が分かった時に、水龍から聞きました。
以前にも一度だけ、風龍は子供を授かったことがあったそうです。
その子供が産まれてからは気候は穏やかで土地は豊かに実り、川も海も豊穣な年月が続いたのだと。
『けれどもその子が病にかかってしまってね。 十を数える頃に亡くなってしまった。 さらに悪いことには、そのことを気に病んだ当時の妻も後追いをして』
ちょうどお前と同じに風の加護を持つ、優しい娘だった。
沙耶、私たちは思うのだがね。
「あ…はぁ……ぁっああ…」
わたしの胸の先が繊細な指に揉まれています。
妊娠のために余計に膨らんでいる乳頭は、それによって形を損なうまでには至りません。
柔らかな力加減の愛撫で、立っているわたしの膝が震えました。
そんなわたしの体の反応を窺うように、水龍がわたしの耳口で語り続けます。
「わたしたち四龍は本来ひとつのようなもの。人の器官に例えると分かりやすいかな。 水と土、火に風。 分かたれている、だがそのひとつが欠けると用を成さないのだよ」
ごく自然な様子で割り入れたわたしの着物の裾から、水龍のひんやりとした手が内腿を撫でました。
「っはぁ……はあ……ぁあん」
ちゅぽ、と蜜口に指先を差し入れられ、もどかしく抜き差しを繰り返します。