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騎士様は私のボディーガード

第6章 騎士様、二人はお別れです

「潔く帰っていくなんて、あいつらしいな」



シリウスはどこか寂しそうに笑った。



「……っ……」



涙が込み上げてくる。
いつかはこういう日が来るってわかってたはずなのに、いざ別れるとこんなに辛いなんて……。



私は項垂れる俊輔さんの姿を見つめた。



気持ちがあればある分だけ、現実を受け入れられなくなる。



いつかは私もシリウスと離れなければいけない日がやってくるのに……

私は受け入れられるの?
ウラユみたいに笑顔で「またね」って言えるの?



………無理だ。


きっと俊輔さんよりもひどいかもしれない。



「……っ……」



私はシリウスの服をギュッと握った。



───シリウスが目の前から居なくなるなんて、考えられない………考えたくない。



「……シリウス、私っ……」



シリウスの青い瞳をじっと見つめると、シリウスは何も言わずに抱きしめてくれた。



「──帰ろう、ミオの家に」





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