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騎士様は私のボディーガード

第8章 騎士様、行かないで!

「じゃあ……シリウスも、そのシャルロ王国のお姫様のところにかくまってもらうの?」

「ああ、とりあえずはな」



なんだかおとぎ話を聞いてるような感じで、いまいちピンと来ない……

そんな所よりもここにいた方が何倍も安全なのにって思ってしまう……



「恐らく城に残っていた者たちが、帝国軍の捕虜になってるはずだ。なんとか体制を整えて助けに行かないと……」

「……っ!」



私、最低だ。

一瞬、シリウスさえ助かればいいと思ってしまった自分が恥ずかしい……



そうだよね……
シリウスはエルドラード王国の騎士……


王様を、国を守らなきゃいけないんだ……




「シリウス、ごめんね……そんな大変なことになってるのに……気を遣わせてしまって……」



きっとその時すぐにでも帰りたかったはずだよね……。



「──いや、もう少しここにいたいと望んだのは俺なんだ」

「えっ……」



シリウスは熱い眼差しで私を見つめる。



「俺が──ミオのそばにいたかった」

「……っ……」

「だから戻るのは、もう少し待ってくれと頼んだんだ」

「……シリウスっ……」



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