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騎士様は私のボディーガード

第10章 騎士様、助けてください!

「大丈夫だよ、美桜ちゃん。俺がそばにいるから」

「……っ……」



私は少しだけ伊藤さんを信じてみることにした。



二次会のカラオケ店に着くと、若い職人さんたちはまたお酒を注文し始めた。



「美桜ちゃんはドリンクバーでいいよね」



今度は伊藤さんが気遣って、あれこれ動いてくれる。嬉しいけど、佐藤さん、鈴木さん、山田さんが私に歌うよう要求してきて困った。



「えっと、私はタンバリンで盛り上げますね」



とりあえず場がしらけないようにごまかしたけど、ついに歌う番が来てしまった。



「伊藤とデュエットなら歌えるっしょ!」



さすがにデュエットだと断りづらい……。



「美桜ちゃん、歌おう。大丈夫、俺がリードするから」



私は伊藤さんに手を引かれて、小さなステージに立つ。
でも佐藤さんたちがしきりにヒューヒュー言って盛り上げてきて、恥ずかしくなった。



なんとか歌い終わって席に着くと、喉が乾いて仕方なかった私は烏龍茶をぐいっと一気飲みした。



「……あれ?」



なんだか変な味がする。



「美桜ちゃん、それ、お酒だよ!」



伊藤さんにそう言われて、間違えて飲んでしまったことに気づく。



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