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騎士様は私のボディーガード

第10章 騎士様、助けてください!

「おい、お前ら、何やってんだよ!」



その時、伊藤さんの怒鳴り声が聞こえてきた。



「ふざけすぎだぞ、お前ら! 美桜ちゃんから離れろ!」



伊藤さんが怒ってる。



伊藤さん……


やっと来てくれたんだ……




「美桜ちゃん、大丈夫? ごめんな、遅くなって……」



伊藤さんは私の顔の布を外すと、心配そうな顔で覗きこんできた。



「家まで送るよ」

「……お願いします……」



頭がフラフラする。
今頼れるのは伊藤さんしかいない。


私は伊藤さんに支えられながら部屋を出た。



伊藤さんはタクシーを捕まえると一緒に乗って、私のアパートの部屋の前まで連れて行ってくれた。



「……ありがとうございました……」



私は伊藤さんから自分の鞄を受けとる。



「大丈夫? 中まで連れて行こうか?」

「大丈夫……です……」



伊藤さんを部屋の中に入れるわけにはいかない。



ここは私とシリウスの──。



「そっか……じゃあ俺は帰るから」

「はい、気をつけてくださ……うっ」



私は吐きそうになってその場にしゃがみこんだ。




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