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騎士様は私のボディーガード

第11章 騎士様、ボディーガードです!

数分後、村上さんが堂々と事務所に姿を現した。
「なんで俺が……」とでも言いたそうな顔をして、白石さんを睨んでいる。



私はどういうこと?と思い戸惑ってると、



「じゃあ、楠さんも行きましょーか」



そう言って白石さんは私の隣に立った。
そして「これも作戦のうちですから」とコソッと耳打ちした。



作戦って……!?



私は白石さんに言われるがまま、広瀬さんたちと事務所を出た。
外に誰もいないことに安堵し、そのまま駅前の居酒屋に入る。



まさか広瀬さんと飲みに行くことになるなんて……てかさっきから村上さん、めちゃくちゃ機嫌悪い顔してますが、大丈夫ですか!?



「ほら祐司、え・が・お」

「……」



額に青筋立てて笑えと促す白石さん。
村上さんはハアッと小さく息を吐くと、



「……はじめまして、村上祐司です。すみません、あまりにもあなたがキレイだったので緊張してしまいました」



なんて伏せ目がちに照れながら話すもんだから、自分に言われたわけじゃないのにドキッとしてしまった。



「やだあ~祐司ったらウブなのね、かわいい~!」



広瀬さんは村上さんのことが気に入ったのか、ハイペースでお酒を飲んでいく。



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