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騎士様は私のボディーガード

第11章 騎士様、ボディーガードです!

「冷めないうちにどうぞ」

「ありがとうございます、いただきます」



私は朝比奈さんがコーヒーを飲んで口を開くのを待った。



「美桜さんは、鏡にまつわる話を聞いたことがありますか?」

「へっ? 鏡にまつわる話ですか? え~と……」



てっきりシリウスのことを話すかと思えば、いきなり鏡にまつわる話だなんて……。



「む……紫の鏡とか?」

「ああ、都市伝説ですね。二十歳まで覚えていたら死ぬと言う……」

「私もう過ぎちゃいましたが、小学生の時は信じててめっちゃ怖かったです」

「ふふ、俺もです」

「え、朝比奈さんもですか?」



私と朝比奈さんはお互いにクスッと笑った。



「鏡は昔から不思議な力が宿ると言われてるんです。おとぎ話にも出てきますよね、白雪姫や鏡の国のアリスなど……」



確か白雪姫は……王妃様が鏡に向かって『鏡よ、鏡。世界で一番美しいのはだあれ?』って聞くと、鏡が『白雪姫です』と答えて白雪姫の姿を鏡に写す。嫉妬した王妃は白雪姫を殺そうと毒リンゴを……。



鏡の国のアリスはあまりよく覚えてないけど、鏡を通り抜けて鏡の世界に迷い込んでしまうんだっけ?


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