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騎士様は私のボディーガード

第12章 騎士様、再会ですか?

「社長っ……」



いつの間にか後ろに立っていた社長に、私たちはギクッとした。



「……白石くん、君は新人だろ? こんな所で油売ってないで、先輩たちに仕事を教わりなさい。それとも……ここに入ったのは、他の目的のためかな?」

「!」


不適な笑みを浮かべる社長に私たちはゾクリとする。
まさか、勘づいてる……?



「……失礼しますっ……」



白石さんは私たちのことを気にしながらも事務所から出ていった。



「社長、お話があります」



広瀬さんがキッと社長を見据える。
そして退職願を突きつけた。
私も慌てて退職願を出す。



「私たち、会社を辞めたいんです」



言った。言っちゃった。
もう、後戻りはできない。



「……」



社長は動揺することもなく、黙って私たちの退職願を受け取る。
ホッとするのも束の間……



「どうして二人同時なんだい? 君たちに辞められたらこっちも困るからね……これはとりあえず預かっておくよ」

「じゃあ先に楠さんを辞めさせてあげてください。私は次の人が入るまで待ちますから」

「そんなっ……」



それだと広瀬さんが一人でセクハラを背負うことになる。それにやっぱりセクハラ自体を辞めさせないと新たな被害が……。



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