テキストサイズ

騎士様は私のボディーガード

第12章 騎士様、再会ですか?

鏡──……



『何らかの力を加えれば、鏡を通じてシリウスの世界と繋がるかもしれない』

『向こうから繋がるなら、こちらからも繋がるはず』



私は朝比奈さんが言ったことを思い出して、壁掛けの鏡に向かって念じてみた。



お願い、シリウス……
私に気づいて……
姿を現して……



今すごく大変なの……
あなたの力が必要なの……



お願い、シリウスっ……
私たちを助けてっ……!



「………」



だけど、鏡に写るのは私の姿だけ。



「……シリウスっ……シリウス、お願いっ……」



私は泣きそうな顔で、何度もシリウスの名を呼んだ。



「なんだ、さっきからごちゃごちゃと……」



見張りをしていた男が障子を開けて入ってくる。



「へっ、泣いてたのかよ……慰めてやろうか?」

「!?」



男は障子を閉めると、ゆっくり私に近づいてきた。



「……いやっ、来ないでっ……」



壁に追い詰められ、両手首を掴まれる。



「嫌っ……」

「へへっ、あんたの嫌がる姿見るとそそるぜ」



男は私の首筋に舌を這わしてきた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ