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騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

お父さんのことは話せなかったけど、むしろ話さなくて良かった。
酒井さんに知られたら余計こじれるだけだし、警察に通報されて犯人にバレたら、お父さんの命が危ない。



「美桜さん、お待たせしました」



私はシリウスと一緒に、朝比奈さんの車に乗り込んだ。



「朝比奈さん、急なお願いをしてすみません」

「気にしないで大丈夫ですよ。ボディーガードの依頼はまだ続行中ですからね」



私はその言葉を聞いて安心した。
そしてチラリと携帯電話を見る。
あれからお母さんから電話がこないってことは、シリウスが「挨拶に行く」って言ったことに納得したってことだよね……。



「美桜さん、確認したいのですが……お父さんを誘拐した犯人との身代金受け渡し場所は、S町の民宿『奥村荘』なんですよね?」

「はい、犯人からはそうメールが来てます」

「先程奥村荘を調べたところ、奥村荘は二年前に廃業しているんです」

「えっ」

「つまり、今は廃墟となっているんですよ」



そんなっ……!
じゃあ、車で乗り込んだら一人で来てないのがバレてしまう。



「それじゃあ、客のふりして乗り込めないな」

「そうですね、犯人がどこから見てるかわからないですし、複数いるかもしれない。念のため、近くのバス停からは美桜さん一人で行った方がいいでしょう」




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