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騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

「誘拐犯から《今どこ?》ってメールがきました」



私はバックミラーに写る朝比奈さんの瞳に目を合わす。



「最寄りの駅から乗って、電車で移動中ですと答えてください」



言われた通りにメールを送る。
するとすぐに既読になり《駅で弁当と、なんでもいいから菓子と飲み物買ってこい》と返信がきた。
それを朝比奈さんに伝えると、「立てこもりでもする気か?」と険しい表情になった。そして誘拐犯に従ってくださいと言われたので《わかりました》と返信した。



「そういえば身代金はいくらですか?」



そう言われて、特に具体的な金額を指定されてないことに気づいた。



「お金を持ってこいとしか……」

「妙ですね……。目的は金じゃない?」

「え? お金が欲しいわけじゃないのに、お父さんを誘拐する意味って……」

「だったら、ミオから離れない方がいいんじゃないか」



シリウスが隣から力強く言い放つ。



「相手が何人いようが関係ねえ。俺はミオを守るし、ミオの父親も守る」

「シリウスっ……」



朝比奈さんは少し考えると、



「わかりました。では正面から堂々と乗り込みましょう」

「い、いいんですかっ?」

「いいんです、守るべき者の盾になる……それがボディーガードですから」



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