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騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

守るべき者の盾になる……
そう言ってくれた朝比奈さんと、何があっても私を守ろうとするシリウスを交互に見て、私は安心感に包まれた。



「ありがとうございますっ……」



信じよう。
シリウスと朝比奈さんが一緒なら、お父さんを無事に助けることができるって。



私たちは途中コンビニに寄ると、誘拐犯に言われたとおり、食糧を買い込んだ。



「お父さん、大丈夫かな……」



食糧を多めに買ったのは、お父さんのためでもある。もし飲まず食わず拘束されていたら……と思うと、胸が痛んだ。



12時15分。
思ったよりも早く民宿に到着した。
敷地内に誘拐犯の車は見当たらない。



「仲間が出払っているという可能性もあります」



それだったら好都合だ。
今のうちにお父さんを救出すれば……。



その時、民宿の玄関から若い男が一人出てきた。
私たちも車から降りる。



「あ? 誰にも話すなよって言ったのに、なに堂々と警察にチクッてんだよ」



若い男は刃物……ではなく、カメラを持っていた。
外見は金髪ショートに、顔にたくさんのピアスをつけていて、いかにも柄が悪そうな感じ。



「俺たちは警察じゃない、ボディーガードだ」




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