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騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

「そっちじゃねえよ、こっち」

「あっ……」



後ろから金髪男に呼び止められて、私はすぐに身体の向きを変えた。



なんだろう……あの鏡、怖い……。



「ほら、秋山さん、あんたの娘が来たぜ」



まだ調べていなかった部屋のドアを開けると、散乱した物の中に、明らかに毛布にくるまって身を隠しているだろう人物が部屋の隅にいた。



「お父さん……?」



私が声をかけると、毛布にくるまった人物がピクッと動いた。そして髪も髭も伸びきった中年の男性が、ゆっくりと毛布から顔を出した。



「……美桜……」



やつれてすっかり雰囲気は変わってしまったけど、間違いない、私のお父さんだ。



「お父さん、無事で良かったっ……」



そばに歩み寄ろうとすると、



「すまない、美桜っ……お前に、迷惑をかけるつもりはなかった……」



お父さんはフイッと私から目を反らした。



「迷惑だなんて思ってないよ! ずっと心配だったのっ……どうしてるかって。てゆか、お父さん……あの人に脅されてここに連れてこられたんじゃないの?」



てっきりお父さんは誘拐されたのかと思った。あの人もそんなような言い回しだったし……。



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