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騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

シリウスは騎士として、守らなければならない人たちがいる。
それはエルドラード王国の王様と、エルドラード王国の人々たち。
私を助けるために急遽戻ってきてくれたけど、こうしてる間にもエルドラードの人々たちは、帝国軍に捕虜にされて辛い思いをしているかもしれないんだ。



「それは、本心ですか? それとも……」

「わからないです……。でもシリウスを必要としている人は私だけじゃないって思って……」



シリウスは優しいから、私がそばにいてと言えば応えてくれる。
だから、むしろ本心が言えないこのままの方がいいかもしれない……。



「難しいですね……全てを守るというのは」

「え?」

「俺にも大切な人がいますが、仕事と彼女、同時に両方を守ることはできない。守れたとしても、きっとどちらも危ない目に合わせてしまうでしょう」

「……っ」

「だから、一人で全てを守ろうだなんて思うのは愚かな考えです、自惚れです」

「!」

「ボディーガードはチームワークが大事なんです、仲間を信頼する気持ちが。だからシリウスは俺にあなたを託した。そして、あなたを助けるために自ら動いた。どちらもあなたを守る行為なんですよ」

「……っ……」

「王様は今安全な場所にいらっしゃるんですよね。 エルドラードの城にも、兵士が何人か取り残されていると聞きました。あちらは戦争ですからね……すぐにどうこうはできないでしょう」



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